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(ネタバレあり)「シン・ゴジラ」見てきました

 艦これの話題はしばらくおいておきましょう。本日「シン・ゴジラ」を見てきました。以下ネタバレありなので注意です。

 ハリウッドでのゴジラ(2014)のヒットから公開された12年ぶりの国産ゴジラ、そりゃあ、期待が高まろうってものです。
 実は昭和ゴジラ、平成ゴジラはほぼ見ています。ミレニアムゴジラはメガギラスとバラゴン・モスラ・キングギドラのものだけ見ました。そして私の国産映画オールタイム・ベスト1は初代「ゴジラ」なのです。
 …その割には見るの遅くないか?は禁句です。お仕事がウルトラ忙しい上に帰省して時間がなかったのです。

1.日本とゴジラとの邂逅、その影響

 さて本編です。東京湾沖に生じた異変、これへの政治家、官僚たちの対応から物語は動き出します。緊急事態か、そうではないかといった政治的対応、ありえるありえないが交錯する異変などもうこれだけで面白い!政治ドラマ、ドキュメンタリーが好きならたまりません。そして海から遡行する巨大生物。陸地に上がり、只進む。それだけで恐怖を感じる造型はお見事の一言です。大田区、品川区、港区と進むだけで発生する巨大な被害、ああステキ。初代ゴジラを思わせる巨大な生物のただただ圧倒的な姿。未知の脅威、そして対応前例がないから自衛隊は動けない!非常事態宣言は出せない!などなど生々しい表現が満載です。
 突如進行を止め、立ち上がるゴジラ、そしてまた元の姿勢に戻って海に消える…巨大な生物がまるで気紛れのように行動するだけで痛めつけられ、翻弄される人々…ああ、ゴジラが怖くて最高です。
 
 中盤からは巨災対という組織が発足し、ゴジラへの対応策を図られるものの、自衛隊は首相の決断無しには引鉄を引けないことが強調されるシーン、そして実際に逃げ遅れた住民がいたことで攻撃が止められる、社会派ドラマもかくや、ですね。個人的にゴジラの延命、捕獲が図られて、保護団体などがクレームをつけて作戦が遅れる、なんてシーンがなかったのも嬉しかったです。いや、現実にはそういう現実離れした思考は非常時には歯牙にもかけられない、そういうことかもしれません。
 経済的な影響について語られるのも良かったですね。たいせつたいせつ、です。

 生物である以上必ず殺せる、その力強い言葉とともに、ついに始まる自衛隊の攻撃シーンはハイライトです。ヘリの機銃掃射、ミサイル、戦車砲、そして自走ロケット砲等々、自衛隊の無制限攻撃は素晴らしいです。特に戦車。鉄の勇者の鼓動が響く!とでもいいますか!
 そして効果が無いのが素晴らしい!そう、ゴジラは災害です。人の力、少なくとも日本の力ではどうしようも無いのです。思えば初代ゴジラでもゴジラは災害、あるいは人知を超えたもの、として描かれていました。

2.神を殺すは狂気なのか

 自衛隊の攻撃さえ無益に終わり、事態は世界規模へ。いよいよ米軍の登場です。バンカーバスター、塹壕に篭る相手を倒すための地中貫通爆弾はゴジラに血を流させる成果を上げます、が、ここでゴジラをゴジラたらしめる、あれが出てきます。そう、熱線です。しかもこの熱線、今までの放射火炎のような生易しいものではありません。口から放たれた火はレーザーのようにビルを引き裂き、火煙はその直線上を這うように流れていきます。…直線状、いやそれどころではない規模で人が死んでいるでしょう。それも、痛みすら感じる間もなく蒸発、あるいは圧死といった形で。さらに背中からをもレーザーのような熱線が。米軍の戦闘機はなすすべもなく撃墜されます。
 この攻撃による被害は正に甚大。浜松町が、霞ヶ関が、首相官邸が、それ以外にも虎ノ門、銀座、東京証券取引所も。どれだけの被害が出たでしょう? 怖すぎて想像もできません。これまで物語を引っ張ってきた首相もここで退場です。ちなみにこの攻撃で私も死んでます。

 さしものゴジラもこの広範囲のエネルギー放出は堪えたのか静止します。人類にも猶予が与えられはしましたが…もはや通常兵器の手に負える相手でないことは明らか。となると、核兵器の出番になります。作中「Nuclear Explosive(核爆発)」が「叡智の炎」と訳されていたのが印象的でしたね。
 数十万度の熱の中で生きていられる生物はいない、熱核爆弾による東京放棄攻撃の刻限が迫ります。そもそも相手がゴジラだからこそまともなことを言っているように聞こえますが、本来これは戦争での使用を想定されているわけです。人間を相手に、使用されることが想定されているのです。であれば存在自体が狂気の沙汰です。作中で触れられる核廃棄物にもそういう思想があったのではないのでしょうか。
 「神を殺すには、まずは狂気を身にせよ」、はエウリピデスの言葉ですが、狂気で神を殺したものは呪いに苛まれることになるのです。爆心地と、後に残る放射性物質の汚染によって。これと平行して中盤から進むゴジラの血液凝固作戦。謎の博士、牧博士の残した情報をヒントにいかにも科学的な説明の元、対策が講じられていきます。

3.現代の「神殺し」

 人の心の中に眠る未知の力で神を、悪魔を倒すのは過去の話です。現代で神、悪魔を倒すのは科学の力です。そして、科学で倒すには、相手を知らなければなりません。相手を知り、こちらに引き摺りおろすことが必要です。そして既知の相手になれば、必ず倒すことができます。本作でゴジラを倒したのはそんな「科学と叡智」の力でした。

 世界各国のスーパーコンピュータをつなぎ、理詰めに次ぐ理詰めで完成された血液凝固剤、科学メーカーやタンクローリーといった民間企業をも巻き込んだ製造・運搬、そして裏で続く核攻撃の引き伸ばし交渉、息が詰まります。これら全てが功を奏し、ついに対ゴジラ最終作戦がはじまります。その名も「ヤシオリ」作戦。後で「アメノハバキリ」部隊が出てくることからも、これは間違いなく「八塩折」を意識していますね。
 日本神話において印象に残る悪玉、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)ですが、スサノオノミコトはこれを銘酒で酔わせ伝説の剣で首を刎ねます。この銘酒が「八塩折(ヤシオリ)」、そして伝説の剣が、「天ノ羽々斬(アメノハバキリ)」なんです。正に神殺し。

 最終作戦は地形をも利用した大胆な、さながら攻城戦の様相です。いくら凝固剤が完成してもゴジラに注入する手段は経口での注入のみ、そのためにはまず地面に倒さなければなりません。無人の在来線に爆弾を積み、ゴジラにぶつけるのはどこか滑稽ではありますが、路線網が細かに流れている都内では現実的な作戦だと思います。米軍の無人機の攻撃もあり、ゴジラを消耗・転倒させることに成功します。間髪いれず始まるクレーン車両とタンクローリーによる注入作戦、リアルすぎて泣けてきます。魔法で注入することはできないですからね…
 そして幾多の犠牲と「やったか!?」を経て、ゴジラは凍結します。さりとて砕け散るわけでなく、いずれ動くかもしれない、そのままの姿で屹立します。「銃夢 Last Order」のサチュモドのごとく。
 その姿は償いの記念碑か、あるいは日本・世界の愚者・狂人に送る墓碑銘なのかは分からないです。しかし、ゴジラを完全に破壊するこはできず物語は終わります。どこか続編を匂わせるような終わり方ですが、個人的にはこれで満足ですね。

 血液凝固剤でゴジラがあっさり倒されてしまうのではないか?と思う方もいらっしゃるとは思いますが、ゴジラは血液、そして体内の組成を暴かれ、その上で周到に準備された作戦の上で倒れているわけですから、あれで十分だと思います。
 アーサー・C・クラークの「3001年終局への旅」でも未知のモノリスは科学の力であっけなく、ただし十分正しい消滅を迎えています。解明され、種がばれた神の死は存外にあっけないものなのです。

4.結び

 存外に熱く書きすぎてしまいました。反省です。
 それはさておき、見て非常に良かった映画でした。ゴジラファンだから、というだけでなく、現代日本の姿が描かれていたと思うからです。未知の事態・被害への対応や諸外国からの反応などにリアリティが感じられました。「怪獣映画にリアリティ?」と思われるかもしれませんが、ゴジラが現代に現れる以上、必ず社会が反応します。その反応は正にドラマなんです。そのゴジラの姿も、そこに存在しているだけで恐ろしく、神性を存分に感じさせてくれました。

 もし続編があるならぜひ見たいという一方、その前にもう一度見たいと思います。あるいは円盤を購入する、かもですね。
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